多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で妊活中の方へ
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で妊活中の方へ
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、排卵障害の原因となることがある疾患です。
しかし、PCOSだからといって「妊娠できない」ということではありません。
大切なのは、ご自身の身体の状態を知り、必要に応じて婦人科・生殖医療専門施設で適切な治療を受けながら、妊娠・出産に向けた身体づくりを進めていくことです。
当院では、妊活中の方や不妊治療を受けている方に対し、
医療機関での治療を大切にしながら、
鍼灸と栄養・生活習慣の面から身体づくりをサポートしています。
PCOSでは卵胞が育たないというより、「育つ途中で止まりやすい」状態になります。
卵巣の中には、卵子を包んでいる「卵胞」があります。
通常は月経周期に合わせていくつかの卵胞が育ち、
その中から成熟した卵胞が排卵します。
ところがPCOSでは、複数の小さな卵胞が存在していても、
卵胞の発育や排卵がスムーズに進みにくいことがあります。
つまり、「卵子がない」というよりも、
PCOSの診断は、月経周期や排卵の状態、血液検査によるホルモン値、超音波検査などを組み合わせて医師が判断します。
PCOSの状態には個人差がありますが、次のような症状がみられることがあります。
・月経周期が長い
・生理が数か月来ない
・排卵しにくい、または無排卵
・妊活をしていてもタイミングが取りにくい
・ニキビや多毛などの症状がある
・体重が増えやすい
・血糖値やインスリンの働きに問題がみられる
ただし、PCOSの方すべてに肥満や同じ症状があるわけではありません。
痩せ型の方でもPCOSと診断されることがあります。
そのため、「PCOSだからこの方法」と一律に考えるのではなく、一人ひとりの月経周期、ホルモン値、体質、生活習慣、不妊治療の状況を確認することが大切です。
妊娠するためには、卵胞が育ち、排卵し、精子と卵子が出会い、
受精卵が子宮内膜に着床するという流れが必要です。
PCOSでは、この最初の段階である「卵胞の発育」と「排卵」がスムーズに進まないことがあります。
また、一部のPCOSでは「インスリン抵抗性」が関係している場合があります。
インスリン抵抗性とは、血糖値を調整するホルモンであるインスリンが効きにくくなっている状態です。
身体がインスリンを効かせようとして多く分泌することで、卵巣のホルモン環境に影響を与えることがあります。
そのためPCOSの妊活では、排卵だけを見るのではなく、身体全体を整えていくことが大切です。
「食事」
「血糖コントロール」
「体重管理」
「睡眠」
「運動」
「ストレス」
なども含めて、身体全体を整えていくことが大切です。
「PCOSと言われたら妊娠できないのでは?」
と不安になる方がいらっしゃいます。
PCOSだからといって諦める必要はありません。
PCOSがあっても、自然に排卵する方もいれば、
排卵誘発などの治療によって妊娠を目指す方もいます。
治療方法は年齢、卵巣の状態、AMH、ホルモン値、精液所見、卵管の状態、
これまでの治療歴などによって異なります。
タイミング法や人工授精から進める場合もあれば、
状況によって体外受精や顕微授精を選択する場合もあります。
大切なのは、PCOSだけを見て判断するのではなく、
「今の自分には何が必要なのか」を医師と相談しながら治療方針を決めることです。
当院では、PCOSそのものを鍼灸だけで治療しようとは考えていません。
必要な婦人科治療・不妊治療を受けながら、鍼灸を身体づくりの一つとして取り入れていただくことを大切にしています。
●鍼灸施術では、一人ひとりの状態に合わせて
妊活は、結果が見えない時間が長く続くことで、知らないうちに心も身体も緊張していることがあります。
鍼灸の時間を「身体を整える時間」であると同時に、「妊活から少し心を休ませる時間」にしていただければと考えています。
【PCOSの妊活では「食事」も大切です】
妊活のゴールは「妊娠すること」だけではありません。
妊娠後、お母さんと赤ちゃんができるだけ健やかに妊娠期間を過ごし、
安心して出産を迎えるためには、妊娠前から身体づくりを始めることが大切です。
特に妊活中は、
などをバランスよく摂取することが重要です。
また、PCOSでは血糖やインスリンの働きが関係している場合もあるため、
甘いものや精製された糖質に偏った食生活になっていないか、
食事の内容や食べ方を見直すことも大切です。
ただし、極端な糖質制限や自己流のダイエットが
すべてのPCOSの方に適しているわけではありません。
その方の体格、血液検査、食生活、不妊治療の状況を確認しながら、
無理なく続けられる方法を考えていきます。
PCOSの方が体外受精を受ける場合、
卵巣刺激によって複数の卵胞が発育することがあります。
そのため、採卵周期では医療機関で卵胞の数や大きさ、
ホルモン値などを確認しながら治療が進められます。
当院で鍼灸を併用する場合も、病院での治療スケジュールを最優先に考えます。
月経開始から卵巣刺激中、採卵前後では身体の状態が異なるため、
その日の体調や卵胞発育の状況に合わせて施術内容を調整します。
特に採卵直前は卵巣が大きくなっていることもあるため、
腹部への強い刺激は行わず、身体の緊張を和らげ、
リラックスして採卵を迎えられるような施術を心がけています。
また、PCOSでは卵巣過剰刺激症候群(OHSS)への注意が必要な場合があります。
強い腹痛や腹部膨満、急激な体重増加、吐き気、息苦しさなど、
気になる症状がある場合には鍼灸で様子を見るのではなく、
速やかに治療を受けている医療機関へご相談いただくことをお願いしています。
「たくさん採れること」だけがゴールではありません
体外受精を受けると、 「卵子が何個採れたか」
という数字が気になってしまうことがあります。
もちろん採卵数は大切な情報の一つです。
しかし妊活では、その先にある受精、胚発育、胚移植、妊娠、
そして出産までを考えていく必要があります。
だからこそ当院では、採卵の直前だけではなく、
可能であれば数か月前から身体づくりを始めることをおすすめしています。
そして、必要に応じて鍼灸で身体を整える。
一つひとつは小さなことですが、妊活中の身体を支える大切な土台になります。
妊活を続けていると、毎月の結果に一喜一憂してしまうことがあります。
PCOSの妊活は、排卵までに時間がかかることもあり、「いつまで続ければいいのだろう」と不安になる方も少なくありません。
だからこそ、一人で抱え込まないでください。
医師による不妊治療と、鍼灸・栄養・生活習慣による身体づくり。それぞれの役割を大切にしながら、今できることを一緒に考えていきましょう。
当院では、以下のような方のご相談をお受けしています。
現在の治療状況や検査結果などを確認しながら、お一人おひとりに合わせた妊活サポートをご提案いたします。
まずはお気軽にご相談ください。

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